Magenta

探偵部・・・?



朝六時になると全てのライトに電気が通り、家の外が明るくなる。 夜の間に電力供給を絶つのはは夜の間に極力潮力発電で電気をためておくかららしい。 この大きな都市、「レッド」の中ではほとんどのエネルギーを電気でまかなっているといっても過言ではない。 「朝・・・か」 俺は体を起こす。 目をさめても誰もいない、それは一人暮らしであるから当たり前だ。 まずは水を飲み全身に水分を供給する。 人は寝ている間に水分を多く消費するらしい、なのでコレは結構重要なことでもある。 ふぅ・・・落ち着いた・・・ 一人暮らしが始まってからまだ三日目だ。 何かをしようとかそういう気は起こらない。 バイトなどをしたほうがいいのだろうけれどもそれは落ち着いてからだ。 高校生でバイトとなると結構見つけることが大変だと思うのだろうが、その辺は学校で聞いてみるとするか。 さ・・・学校へ行くか・・・ 「・・・・・・・・」 俺は頭を抱えていた。 朝、何か忘れていたとも微塵も思わなかった。 しかし今になって気づく・・・ なぜだ・・・なぜわすれた・・・ 朝ごはんを食べることを・・・ なぜ忘れた、歳か?いや、俺16だし。 一人乗り突っ込みなど面白みも何も無い、誰か相手がいなければ・・・ 「やあやあ!ショウ君元気かい!?」 飛鳥がニヤニヤ笑いながらこちらに寄ってくる。 こいつだけには頼みたくないな、俺はそう思う。 それにしてもこいつ元気だな。 「おまえ・・・結構学校来るの早いんだな」 「そりゃー優等生ですから!!」 へー・・・始めて知った・・・ 人は見かけによらない、と言えるのだろうか。 「じゃ、日番いってくるわ!!」 ・・・・やっぱりか・・・・ 朝のHRでデータ送信が行われた後、授業が始まる。 ノートには常に電力供給が行われているので、電池切れなど心配ない。 とか結構年の食った先生が言っていたがそれは当たり前なんじゃないかとか思ってしまう・・・ 朝のデータと共にメールまで届いてきた。 件名:今日は部員紹介してあげようではないか!! 『放課後、部室にて待つ!!来なかったら部員全員に迷惑をかけると言う行為をしたと言うことで以後部長命令は絶対と  言うことになるので注意だぞー』 なぜこうなってしまったんだろうか。 俺が行かなかったら部長命令絶対って、俺の都合とか考えないのかよ。 とりあえず放課後は何も予定が無いのでよかったが・・・ 授業が始まろうとしていた。 通信での授業ではなく、前のスクリーンにてちゃんと先生が出てきて授業が行われる。 伝統的なもので覚えやすいとかサボりが減るとかそんな理由だったと思う。 しかしサボる人はサボると言うことで、 「ぐおおおおおおぉぉぉぉ・・・」 と、授業前から睡眠モードなやつもいる。もちろん飛鳥だが。 「寝るなー!!瀬戸!!」 と近くにいた女生徒が飛鳥を殴る。 ・・・殴った!? 「いったい!!へ、なになに!!時空振動を俺の頭が観測したか!?それとも大規模な海底火山噴火か!!?」 「馬鹿いってないで授業の準備をしなよー」 「ああ、そっか。オレ、朝に日番だったんだ!!」 「それは終わったぞ」 俺も会話に参加する。 どうも飛鳥がまだ寝ぼけているようなので、ちょっと話しかけることにする。 「あ、橘くん。おはよー」 授業前にこの挨拶ってなんか変な感じもするけど、 「おはよう・・・」 「あ、名前ね、伊藤真夏(まなつ)って言うからよろしくー部活は秘密ですが!!」 元気な人だ・・・ 飛鳥にひけをとらない。 ストレートな髪で癖が無く結構長い、目が大きくてすごい元気そうなイメージだ。 笑っている顔がよく似合いそうだと思った。 「おお!何だお前!!橘ってみかんみたいな名前しやがって!!」 ちょっと待て、何だそれは、 ってか何だその寝起きでばっちり変な突っ込みボケをかますこの人は・・・ 橘ってそれはそうだが、そんなこと言う人は生まれてこのかたこの人が始めてだ。 柑橘系と言うかなんと言うか、そんなイメージは俺には微塵も無いであろう。 「みかんかー・・・みかんねー・・・ふむふむ、じゃあ『みかんクン』でいいかな?呼び方?」 ちょっと待て・・・なんでいきなり自己紹介した後にあだ名の話になるんだ・・・ もっとそういうことは時間がたってからというものではないか? 「いy」 「おっはよー!!授業始めるぞー!!」 言葉を発する前に教師が入ってくる。 なんで教師までもがこんなに元気なんだ。 それに、何ともタイミングがいいことで。 まぁ仕方ないか、この授業の後にすぐ修正を施せばいいか。 授業後・・・ 「・・・・」 授業内容が進みすぎている・・・・ 前の学校のほうが・・・ だからやることといってもやったことの復習を見るだけと言うもの。 ノートに書いたことのある内容が多重化する・・・ あ、俺のはタブで直接書くタイプなんだが・・・ なんでも昔はノートと言えばペンで直接書くものであったとか。 確かに文字の配列がゴシックや明朝などで並んでいるだけの画面を、個人の嗜好ではなく読むと言うことは睡眠欲をそそられる 拷問のようなものであり、少なくとも俺はしたくはない。 だから、手書き機能を有効利用させてもらってるということである。 先生もそうだしな。 しかしコレは書き取ることで、メモノートがぐちゃぐちゃになるに違いない。 だが、それをしない生徒もいる。 「ぐおおおおおおぉぉぉぉ」 この茶髪とかな。 と思っていると授業開始のベルが鳴る。 っと、次の授業はなんだったかそれを知らなかった。 まだ慣れていないから携帯で確認する。 そして授業の準備のため、ノート整理をする・・・ ・・・って忘れてるし・・・みかん修正。 昼食の時間だ。 朝が無かったから辛かった・・・ この時間をどれだけ願ったことか・・・ 弁当と言うものを持っているはずもなく、学食へと行くことになったのだが、 やはりどこの学食も同じらしい、全く座ることのできる雰囲気は無い。 まだ、転校してから二日目と言うこともあり、自由がきかないということもある。 「やぁやぁ翔クン!!こんにちわー」 一足先に授業が終わったのか、真昼がそこにいた。 食べているものはパスタ。 ・・・食堂にパスタって、案外軽食多いのか?ここは 「席を取ることがまず第一にしなければならないことですよ!!」 こういうとき常連の人というのは自慢をしたがるものだ。 証拠に、真昼はふんぞり返っている。 後ろを通る人が迷惑をしていた。 後がつかえた。 転んだ人が出た。 「だから今から席をまず取ること!!」 ビシィ!!っと効果音が鳴りそうなくらい手馴れた手つきで俺を指差す真昼。 メガネが光っていた。 照明効果か? 「ちょっとは周りを見ような、お前」 一応注意しておく。 ちょうど隣があいていると言うこともあったけど、なんとなく違うところに座りたい。 何かに巻き込まれそうな気がしていたから。 「よお!真昼!!こんなところで会うとは奇遇だな!!」 「あ、飛鳥!!奇遇だねーって昨日もあったけどねー」 「ああ、そっかそっか!!あはははは!!」 「あはははははは!!!」 なぜだろうか・・・べたな会話がめちゃくちゃ盛り上がっている。 あの二人の雰囲気がそうさせるのか、一種の固有結界だな。 そう思いながら席に携帯をおき、場所取りをしておいた。 ま、盗むようなやからはいないだろう。 「お、めっちゃアド入ってるじゃん!!」 「さすがショウ君、友達関係が広いなー」 盗み見るやつらはいたが・・・ 俺はコブシに力をためた・・・ あだ名修正・・・忘れてるし・・・ そんなこんなで放課後となってしまった。 別に特出した出来事もないし、授業も普通だ。 ただ、進みが遅い。 これから部活棟へ行くことになるんだが・・・ 「やぁやぁみかんクン!これから帰り?」 伊藤・・・だったか、って言うかこいつだよさっきからいろいろと考えていたのは、 早急にみかん撤廃をしなければならない。 みかんは好きだが呼ばれるのはちょっと恥ずかしいと言うかおかしい。 「いや、帰りじゃなく部活棟に顔を出さなきゃならないらしい。いきなり入部させられてしまった部活があってね」 「はははーそれはすごい部活だねー、私の部活も結構部長がぶっ飛んでるからねー」 けらけら笑いながら伊藤は言う・・・ ・・・ん? 伊藤・・・伊藤・・・ どっかで聞いたような・・・ 「じゃ、部活いってくるねー」 一緒に行くという選択肢は無いのかね。 ま、場所が違うだろうからな、部活棟といっても何階もあるわけであるし場所もわからないものだし。 あの性格からして文化部ではなく運動部なんだろう。 って修正忘れてるよ!! 明日でいいか・・・面倒くさい・・・ 「ういー・・・あ・・・授業終わったのか」 飛鳥が目を覚ます。 ほっといた。 さて、部室前に来たわけだが・・・ なんとなく緊張するものだよな、二年生で部活に入ると言うものも、挨拶をすると言うことも。 ちょっと深呼吸してドアをノックする。 「どうぞー」 と言われたのでドアノブを回すと同時に背中に衝撃が走った。 「ヴッ!!」 何がなんだかわからないうちにその衝撃と共に何かが部室へと転がり込んだ。 と言うより倒れこんだだなこれは。 って冷静に思っている場合じゃなく、何が起こったか確認するのと体の無事を確認するのが先決かと・・・ 「ったー・・・」 背中の重みは飛鳥だった。 「やあやあ!!待ってたよー翔クン!!」 にやにやと笑いながら挨拶をしてくる真昼。 「飛鳥・・・話を聞こうか・・・」 俺は立ち上がり服についたほこりを払いながら飛鳥に睨みをきかす。 「ええっとー・・・ほら?遅刻厳禁・・・ってー・・・やつですか?」 「ここは遅刻には寛容ですよん♪」 そうか真昼・・・いいことをきいた・・・ 「ええー・・・む、無防備な背中を見るとついつい攻撃したくなるという青少年の純粋な青春時代であって〜」 脳天にチョップを炸裂させといた。 「さて!!早速来た人から部員紹介と行きますか!!」 グルッと見渡しても、周りには飛鳥がソファーで腕立てしてるもの以外見れない。 しかしなぜにソファーで腕立て・・・ 「『何をしているんだい?TOM?』『Oh...これはねソファーの上で腕立てをすることにより絶妙なバランス感覚と腕の筋力  がつくと言う画期的な筋力トレーニングなのさ!!』『WHAT's?いまどきそんなことをして何になるんだよ。やめちまえよ』  『アウチ!何するんだよBILL、せっかく筋肉もりもりマッチョマンになってウハウハハーレムを作ろうとしていたのに!!』  『TOM、そんな効率の悪いやり方だとそれだけでその日が終わっちまうよー今はコレ・・・らくらくボディまっちょっちょ  があるんだからさー』『なんだいそれは?ネーミングセンスがイカス商品だけど・・・』『だろー?これを一日三十分  するだけで驚きの効果・・・一週間でマッチョッチョになれるんだ!!』『そいつはGREATだねTOM!!早速試してみてもいい  かい?』『どうぞーやってみてくれよ』『うわ・・・すごいよTOM!!これをやり始めただけで体中がカッカしてきて  新陳代謝が活発になったようだよ!!』『だろー?このすごさ。わかってくれたかい?』『コレなら俺は一時間でも二時間でも  できるよ!!』『ああーだめだめー一日三十分が限度さー』『なんでさ?』『そこまでやったら、お前しかもてなく  なっちまうだろー?』『HAHAHAHAHA!違いないや!!』」 ・・・こいつ一人で何言ってんだ? 「飛鳥はこういうやつ」 ま、大体わかってた。 「こんちー!!」 ・・・・・ドアが開かれた聞きなれた声が聞こえた。 とは言っても、昨日と今日だけ聞いた声であるのだが・・・ 「あれ?みかんクンじゃん、こんちー!!」 「こっこんちわ」 挨拶・・・ 「もしかしてこの部活なの?だったら言ってくれればよかったのにー」 ・・・伊藤だった。 ・・・伊藤だった・・・ いかん二回も思ってしまった。 「あ、真夏〜買ってきた?」 「うん、一応お菓子と飲み物。それに・・・」 なんか買い物して来たらしく、買い物袋にはおかしやらなんや・・・ら・・・ 「もしかして・・・伊藤さんって・・・」 「「ん?」」 二人、真昼と真夏がこっちを向いた。 「ああ、紹介が遅れたね。コッチは真夏。僕の妹だー」 やはり・・・ 血は・・・争えない・・・ 「ども!!私、伊藤真夏、16歳!!趣味は時代劇を見ることです!!」 今はもう無い古い時代のTV、その保存データをいつも見ているらしい。 ネットの繋がった今ではそのデータを落とすのも難しくは無く、著作権もわからないくらい古いものであるから気にせず見れるとか 意外とたいそうな趣味を持っているもので・・・ やはり見た目と中身は違うな・・・ てっきり運動部だと思っていたが・・・ ホント人は見た目に寄らないよな・・・ (カチャ・・・スーーーー・・・ボフ・・・) ソファーの残りの場所に少し・・・いや、だいぶおとなしめの男子が座った。 存在を感じられなかった。 実はアサシンとか言わないよな。 「お、五郎も来たね♪」 真昼はにこにこと・・・っていつものことか、 ニコニコしながら五郎と呼ばれた男の肩を持って言った。 「こいつは五郎。僕の弟」 さ、三人兄弟と・・・・? 「え?でもなんで五郎?」 「人の家庭には口を突っ込まない♪」 いや、誰でもコレは突っ込みたくなるぞ。 もしかして・・・家庭の事情で五人の男が生まれたのだがそのうち真ん中の三人が死に絶え、五郎と真昼が生き残り・・・ その三人のことを忘れはしないように五郎と・・・ 「五郎は次男だけどね」 「何でだよ!!」 要らぬ心配と言うか考えすぎだった。 だけど謎が増えた。 「よろしく・・・」 右手を差し出してくる五郎。 目が細くて、髪は男としては長いほうに入るんだろうか・・・ 体のほうは男としては少し華奢な体つきで、運動とか苦手そうな感じだ。 その姿は、とても暗闇が似合いそうなそんな雰囲気をかもし出している。 だけど、なぜかいいやつだと言う感じがした。 俺はその右手に自分の右手を重ねた。 「・・・・あんた、長生きするな」 「ん?」 「手相・・・」 「え・・・っとああ、そりゃどうも」 ・・・やっぱり正体はつかめなかった。 しばらくたち少しずつ溶け込んでいけたような気がしていたら。 どばああああああん!!! と言う音と共に、一人の女子が現れた。 「遅れてごめんなさい!!えっとだれだれ!?転校生転校生!!」 豪快だ。 ただ一点それだけを思った。 「この人この人、翔クン翔クン」 真昼も二回繰り返しで俺を紹介した。 「おぉおおおお!!転校生!!始めてみた!!制服あったらしー!!」 なんかわからんけどめちゃ見られてる。 「翔ね。翔。翔!!かっこいいね!!翔ってね!!」 名前のことだろう。 しかし二文字の名前って結構珍しいからなんじゃないだろうか。 「私は遠野遥歌(とおのはるか)!!ハルカっちとかはるかんとかハルカちゃんとかいろいろな呼び方で呼んでくださいな!!」 できれば一つにしたい。 「じゃあ、遠野で」 「・・・・」 ジト目で見られる。 「わかったハルカで・・・」 「OK!!」 バンバンと肩を叩かれる。 「よろしく!!」 そして右手を出される。 握手多いな。 「ああ、よろしく」 なんかアレだな。 女性版飛鳥って感じか。 髪の毛は短めのボブカット。 体も健康的な感じでこの人も運動ができそうな女の子って感じだ。 ってか何故この部活に入ってるんだ? なんと言うか、元気と言うそのものみたいな人だな。 「それにしても物好きだね!!こんな部活にすすんではいるなんて飛鳥みたいだよ!!」 「ああーそうそう。何で入ったの?ぜんぜんみかんクンそんな感じに見えないけどねー」 この部活に入る人はどう普段見られているんだ・・・ しかし脅迫されたともいえないし。 「・・・まぁ・・・うん」 適当だ。 適当に入ったとしか言えない。 「適当だ」 そのまま言った。 「なんかみかんクンって・・・」 「変な人?」 変な人呼ばわりされた・・・ まぁいいだろう。気にはしないよ。 この部活に入った時点で俺は変なやつなんだろうがな。 まず普通の学校で探偵部などという変な部活はありえない。 しかも部として認められているのがありえない。 そして、生徒の心得に書いてある、『生徒活動に貢献するもの』とも考えられない。 ま、それはともかく一応言っておくか。 「俺は変な人じゃない」 俺はため息をつきながら言う。 「あいつよりは」 飛鳥を指差して言う。 今では腕立て伏せも腹筋に変わっていた。 「『なにをしているんd』」 無視・・・ それにしても・・・コレだけ部員紹介されても一気に覚えられるものではない。 「あ、僕はここの部長!!伊藤真昼様ダー!!!」 最後に真昼の大きな声が部室内に響いた。 ま、部長だってことはわかってたが、そんなに威張るものでもないような気もしないでもない。 またメガネが光ってるし。 どんな仕掛けがしてあるんだろうか? 体には仕掛けがあるようには思えないし、自在にメガネの角度を変えて光の加減を調節しているとでも? そういえば言ってなかったな俺の自己紹介。 「俺の名前は橘翔、ここにきたのは、まぁ気にしないで欲しい。この学校に来た理由は家庭の事情だ。と言っても転勤とかでは  なく・・・まぁ気にしないでくれ。趣味は本を読むと言ったとこだろうか、よろしく」 ほんとに普通な自己紹介をしておいた。 気にしないで欲しいことを二回も言ったが・・・ 「よろしくねー翔クン!!」 真昼がやはりニヤニヤ笑いながら言う。 デフォルト装備かその表情は。 「ショウー・・・オレッ・・・彼女ッ・・・募集中ッス!!!!」 いや、俺に言われても。 「よろしく・・・俺は一年生だが」 よく考えれば全員二回目くらいだよな。 って言うか五郎よ・・・高校に入ってすぐにこの部活に引き込まれたのか。 「よろしくー!みかんクン!!部活も一緒とはねー」 あ、 「その・・・みかんクンってやめてくれないか?伊藤」 「んー、もう頭の中にインプットされたからみかんクンで、こっちは真夏って呼んでいいからー」 「いや、コッチは別にいいんだが、みかんクンは」 「と言うか真夏と呼んで欲しいかも?真昼もいるからねー」 「わかった、真夏と呼ばせてもらう。で、みかんクンは・・・」 「よろしくねー!みかんクン!!」 ・・・思いっきり流されたのだった。 「なんかめちゃくちゃタイミング逃したけどよろしく!!あ!!あたしはキミの隣の組だから何かあったときは頼ってくれ!!  橘翔クン!!」 コッチはコッチでフルネームかよ。 別にいいが・・・ こうして、俺は探偵部という部活に席を置くことになってしまった。 これからどうなっていくのかと思うと、少し頭が痛くなるが・・・最初の条件がある。 好きなときに帰っていいと言う条件。 コレにより俺は結構自由を獲得できたのではないかと思う。 っと少しトイレに行きたくなってきた。 部室のドアに手をかけ、力を入れたが、ドアは開かなくなっている。 何だコレは? 「あ、そこの鍵。僕の持ってる鍵がないと『内側』から開かないからよろしく!!」 ・・・・・・頭痛の度合いが大きくなった気がした。 小説トップへ
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