Magenta

アルバイター翔



「で・・・こうなるわけか・・・」 「うん!探偵部の中でノアさんに普通に声をかけられるのは面識のあるこの二人しかいない!!しかも探偵部は秘密第一主義・・・だから周りの  人に悟られないように話を聞いてみて!よろしく〜♪」 「ハイさ了解!!」 「一応聞いておくが、飛鳥はどうするんだ?」 「昨日の一件で人から避けられているような状態とか何とか〜」 「なるほど・・・」 教室に戻って見てみると、飛鳥は隅のほうで『信頼を取り戻す百の方法』と言うタイトルのページを読み漁っていた。 「アカリ〜ちょいといいかね話を聞いてもらっても」 真夏がいきなり声をかける。 予想をしていたのか、ノアは振り返り自然に真夏へと寄っていく。 「なに?真夏?」 「いまから阿鼻叫喚の地獄絵図に似たり寄ったりな食堂に行くってのも自殺行為だと思うのであなた様の弁当をもらえたらと思いまして」 「そっそんなこといわれてもこの弁当一人分しか」 はぁ・・・と俺は息をつく。 真昼からいきなり授業中にメールが届き、昼休みにすぐ部室に集合!!とか書いてあったから部室に行ったらあんなことを話すためだとは・・・ ・・・メールで言えよ・・・いくら秘密主義でも人の携帯見る人なんてそうそういないだろうが・・・ 幸い俺は今日、購買部のパンとコンビニのパンの食べ比べをして美味しいほうをこれから買っていくようにしようかと画策していて、コンビニの パンを二つ持っていた。 今思ってみれば変なことをしようとしてたんだなあ・・・ 「伊藤、昼がないんだったらこれを食べろ。さすがに弁当もらうのはまずいだろ」 みんなの手前、俺は真夏のことを伊藤と呼ぶことにしといた。 「・・・・私の名前は真夏さん・・・・伊藤と呼ばないこと!!もしくはサマー」 いや、サマーはないだろ。 「わかったよ。じゃあ真夏・・・さん、これ」 俺は買ってきたパンを渡す。 「・・・ぬぬ。かたじけない!!お礼に好きな呼び方で私を呼ばせてあげようではないか。かっかっか!!」 どこかの爺さんの高笑いのような声が教室内に響く。 なんていうか、面白いな。 「じゃあせーのサm「めんどくさいから呼び捨てで呼ばせてくれ」」 言葉をさえぎって俺は言う。 いとうって苗字で呼ぶのはやはり使い分けがめんどくさい、だから名前で呼ばせてもらうことで・・・ 「うーむ、めんどくさい。もう夏って呼んでよナツって」 「それって好きな呼び方じゃなくって決めてるじゃないか、まぁいいが・・・」 「こっちはこのままみかんクンって呼ぶからさ!!」 「それは修正できないんですね・・・」 できればこっちを先に直したかった。 「ははは〜」 ノアが半笑いでこっちを見ている。 多分、真夏・・・ナツの行動がいつものごとく元気な様子だったからそれにあきれているんだろう。 「そういえばニチバンの仕事、わかった?」 食事が終わった後、ノアが心配そうに言ってくる。 「ああ、前の学校と違ってあんまり難しい仕事がなかったからいいよ」 前のとこは授業のログ確認までしなければいけないとか変な規則があった。 なんでも教育委員会がうんたらかんたら・・・ だったらそれは教員に任せたらいいんだと言いたかったが、それはもう学校による決まりごとみたいなもので生徒にまかせっきりだった。 「そう、じゃ、あとは〜私が日誌書いておくからタチバナくんは前の消しといてくれない?」 「わかった」 「ありがと」 ノアはちょっと申し訳なさそうに言う。 前の授業で先生が使ったスクリーンの処理をする。 まぁ、ワンタッチでもいいんだが、まだ書き写しているのにーとか言う人もいるのでちょっと待ったりするんだが。 「俺も普通の高校生だからな?転校生とか関係なく仕事は平等に振り分けられるべきだ」 「そうだよね。じゃあ日誌も任せちゃって良いかな?」 「いや、『平等に』振り分けられるべきだ」 「けちだねー」 「当然の権利だな」 そう言いながら笑いあった。 ああ〜久しく感じていない普通の空気を今感じている・・・ そんな時、ナツは突然、 「あ、アカリ〜忘れてたけど今日の放課後時間ある?ちょっと相談に乗りたいことが」 ・・・・ ナツ・・・それは・・・ストレートすぎる言い方でありものすごい不自然な言葉になっていやしないか? 「え?・・・う・・・いいよ」 ノアはちょっとうろたえながらも承諾した。 それを探偵部の目としては、どう見てるのかと気になってこっそりと飛鳥のほうを見てみた。 「やぁ、その荷物僕が運んであげようか?」 極上スマイルを作る飛鳥。 突然、話しかけられた女の子はなにやら物を持っている。角度的に何持ってるかわからないけど、 ・・・いきなり人が目を向けた瞬間何をやっているんだこいつは。 「え・・・」 「あなたのような細腕の人にこのような荷物を持たせるなどこの教室内の男どもは罪なやつらだ・・・さあわたしにそれをもたせてはくれないか  君は席へと戻っていていいから・・・」 あ、次の時間って確か、 「ヘン・・・・ッタイ!!!」 飛鳥は一つの轟音とともに教室の天井近くまで上り、一気に 『ドスン!!』 いい音が響いた。 ・・・女子の体操着を運ぼうとする男のほうが罪作りなやつだよな・・・ ・・・探偵の素質あるのかこいつ? 放課後となった。 俺は職員室まで行って連絡は以上です。といつもの口上を聞いてから、教室へと戻っていた。 便利な世の中だよなぁ・・・日誌とかも一発送信。 しかも文章を作っておけば次まわってきたときも使い回しが・・・ 昔は手書きだったんだなぁと思うと辛いものがあるよなぁ。 しかし緊急のことは聞きに行かなくてはならないと言うちょっとしためんどくささ。 ま、これは昔も今も変わらないみたいな? 「さてと・・・どう話したらいいのかな?」 隣にはノアがいた。 これから俺たちが聞き出すことの話を整理してるみたいだった。 俺は口を出さずにただ隣を歩くだけだった。 教室に入ると、そこにはナツだけがいた。 他の連中は部活とか、せっかくの自由時間を無駄にしたくないってやつらか?こんなに早く帰るなんて ・・・ ・・・・・・ ・・・・・・・・・ やっぱ無理だ。真夏と呼ぼう。なんかめんどくさい。 真夏は教室の真ん中で仁王立ちで待っていた。 なぜ仁王立ち、なぜにそんなに誇らしげ? なびく髪は誇らしさを倍増していてライオンのたてがみの様に。 「さあ・・・はじめようかねぇ」 真夏の目が光る。 ・・・・・・怖ッ!! 「・・・と言うことなんだ」 「ふむふむなるほど、じゃあ簡単に言うとその増田さんが最近ちょっと何かにおびえたような感じで話してもぎこちなく、すぐに家に帰ってしまうと」 「よそよそしいってのは女の人だけか・・・なんでなんだ?」 「それはわたしにも・・・」 ノアはうつむく。 増田さんの突然の行動の変化、ある日を境にいきなりとか言う。 引越しが決まったとかそういう類ではないだろう。少なくとも不安なものはあるんだろうが・・・ 他の人から見ても本人の変化の具合は本人しかわからない。 「とにかく、増田さんに話を聞いてみるほかないな」 「だよねぇ〜、ほかの探偵部の人にも相談してみる?」 「うん、お願い・・・あの子の力になってあげたいんだけど、何も話してくれないから・・・」 ノアは俺たち二人を見て、一つ小さく礼をした。 「と言うわけ」 真夏が聞いたことを真昼たち(飛鳥除く)に言った。 「つまり・・・増田さんに聞かなきゃわからないってことだね?」 「ま、それしかないかな。行動だけ見ててもわからなかったとか言うし」 「転校の件も薄いか・・・」 真昼がいつになくまじめな顔だ。 目を開いてるし、 「増田さんか〜あたしのクラスだよ〜。確かにちょっとこのごろ変だったかな?なんか怖がってる感じだったけど」 遥歌が少し考え込みながら言った。 怖がっている・・・か。 「よし、今日がいいかな?部活が終わったらその増田さんに聞いてみよう!聞く人は・・・僕と遥歌ちゃん、あと後学のためにも翔クンも!!」 あ、顔が戻った。 ってか俺もか、予想外だ。 「大丈夫だよしょーくん!!増田さんは普段は明るいいい子なんだから〜!!あたしが保障するって!!」 いや、明るいとかそういうこといわれてもなぁ。 実際、聞き込みとか捜査とかの類じゃないんだから普通でいいと思うんだが。 「これをもっておいたらいいかと・・・」 五郎は俺にあるものを手渡す。 「ん?ボイスレコーダー?」 結構小型だ。しかも指向性マイクつきみたいな? マイクを使うほどじゃないがまぁ基本だよな、会話内容を残すのは・・・ でもこれってたぶん相談事だと思うんだけども・・・ 「備えあれば憂いなし・・・能ある鷹は爪を隠す・・・豚に真珠」 最後のは違うとして、持っておけば必ず役に立つはずだ。 『指向性マイクつきボイスレコーダーを手に入れた!!』 とか思ってみたり。 「後はよろしく真昼たちー、わたしは寝るねー」 と、ソファーの上に横になり真夏はすぐに寝息を立て始めた・・・ やる気があるのかないのか、自分の役割を肝に銘じているのか・・・ ってか友達の友達のことだろうと言いたくもなったが、さっきのノアに対する聞き込みの熱心さから、役割のほうだな・・・と思った。 「まっかせといて!!」 真昼はグッと親指を立てて舌を出しながら返事をする。 誰の真似だ、それは。 「ええーっと、増田さんがいるのは・・・え、生徒会だ・・・」 真昼びっくり、ってな感じに真昼は目を見開く。 めちゃくちゃわざとらしい。 たぶん真昼は全校生徒の大雑把な役職、ましてや生徒会は把握済みだと思うんだが・・・ 「あ、生徒会書記だよ?増田さんは〜」 「も〜お、先に言ってよね!!遥歌ちゃん!!」 「ごめ〜ん、ひるっち〜!!」 二人ともがぐうぇふぇふぇふぇと笑い出す。 笑い方は不気味だが相性がいいんだろうな、この二人はたぶんボケとボケの相乗効果を生み出しているんだ。 お笑いになれば多分売れるのに・・・ 「よーし、ここはあたしの腕の見せ所!!いいところ見せてやるー!!」 そういえばこの前、昨日か、先生の話し相手とかになったと言っていたな。 遥歌って結構話術に長けているんだろうか? 話しやすいといったら話しやすいし・・・ ・・・ もしやこの探偵部の一番の常識人って言う位置づけなんじゃあないだろうか? 飛鳥の女の子バージョンとか思っていたけどそれは第一印象であり、実は元気が有り余っているだけの・・・ 「さあてと・・・生け捕りにしてくるわー」 ・・・ ・・・ 「えっと、なんで自分はここにいるのでしょうか?」 「あたしがらt」 「えっと遥歌、任意同行って言葉知ってますか?」 「しってるよ?ちょっと来てくださいねって言って連れ出すことでしょ?」 ・・・ 連れ去ってきたんだ。 「えっと・・・えっと」 「落ち着いてください、まずはこちらから謝ります。すいませんでした」 ぺこりと頭を下げる真昼、 ってこんな真摯な真昼を今まで見たことない!! 不思議だ・・・めちゃ不思議だ。 不思議ってか新発見による驚きが大きい。 「まずこちらはこの学校で探偵部をしている伊藤と言うものです。以後お見知りおきを」 「は、はぁ」 「実は今皆さんのうわさになっていましてね。最近あなたの様子がおかしいとかで・・・」 ・・・やはり真昼の様子が変としか思えない俺は偏見が強いだけなのだろうか? 「・・・・・・・」 「教室でもちょっと変な感じだったよね?何があったか話してくれないかな?」 まずはストレートに遥歌が聞いてみる。 いち早く相手から答えを得るための手段とか? 「それは・・・」 「言える範囲で結構です。それに私たちの一番の信念で個人の情報をもらすと言うことはありません。聞いたことを部内の人以外に誰にも話し  せんし、この話が終わったら全ての情報を破棄します」 ・・・ってか俺ボイスレコーダーをrecにした以外仕事してないよな? なんていうか俺っているのか?実際、 「何か力になれることがあったら・・・全力であたしたちがかいけつしてあげますからっ!!!」 遥歌はいつものままだ。 この真昼とのバランスがいいんだろうな。 ってか連れ込んだお前が言うなという突っ込みはこの際目をつぶろうじゃないか。 「・・・ちょっと他の人が聞いたら恥ずかしいことになってしまうのですけれども・・・」 増田さん・・・以外に早く折れた・・・ 親しい人たちには話しにくいという内容なのだろうか? というか恥ずかしいものとは? 「実は、生徒会の仕事で私が遅くまで学校にいたことがあったんですよ・・・」 増田さんはゆっくりと話し出す・・・ 『その日は7時くらいだったか8時くらいだったか・・・とにかく一般の部活の人も、先生方も大方帰ってしまったときだったのです。  生徒会長も、  「ぼく、ちょっと今日は見たいテレビがあってさー、仕事うちに持って帰ってするから生徒会室のかぎ閉めよろしくー」  とかおっしゃって、帰った後でした。  私、ちょっと暗いところとか寂しいところって苦手なんですよ。  だから、気持ちいつもの倍くらいの速さで歩いていたんですけれども・・・  何かが聞こえたんですよ。聞いたこともない物音を、  バチン!!って音が何回か・・・  ちょうど学校の裏、そのあたりで聞こえたんですよ・・・  その後音が聞こえなくなったんですけど、しばらくすると大きな破裂音とともに、  「きゃあああああああぁぁぁ!!!」  という絹を裂くような声があたりにこだまして・・・  その後何か・・・ぶつぶつと独り言のような声が・・・  私は気味が悪くなってしまい・・・その場から逃げ出したんです・・・』 ・・・・・・・ か、怪談話か・・・ ふ、ふむ、それは結構よくある話だよな・・・ 全ては迷信、事実、自然現象による偶然の産物、自身の恐怖心により発生する虚像であり何も臆することはない!! 現象全てには説明がつき、疑いようのない真実が浮かび上がり、経験者本人も納得する終わりを迎える。 そうさ、例えばいつかわからないが水溜りに浮かんでいた恐竜は実はビーバーなどの生き物の尾であるとかあったぞ!! ・・・ビーバーって生き物がどのようなものかは知らないが、きっとそういう実在するものが・・・ 「翔クン翔クン」 「お・?ああ、真昼、なんだ?俺はビーバーを知らないぞ?」 「何言ってるの?翔クン、もう増田さん帰ったからボイスレコーダー止めていいよ」 ・・・え。 ・・・ああ!! 「ちゃんととってるぞ!!」 「今度からは君にもこういったことしてもらうからね!!」 「じ、実際問題それは自然現象なんだよ!!」 「ふへ?」 「なんかしょーくん違うところにいってない?」 「ええっと、うん、自然だよね?次はやってみなって言うのは、ってか経験のための実習みたいな」 「ということで善は急げ!!明日決行することになりました!!ちょうど休みだしね!!」 なんか、真昼行きつけ(?)の喫茶店にみんな集まって話し合いをすることに・・・ って・・・ 「あしたっ!?」 俺は驚いた。 なんでも、夜の学校に忍び込んで真相をつかむという・・・ よく学園もののドラマや漫画でありそうなイベントをこうもあっさり決行しようとするなんて・・・ 「しかし、増田さんは7,8時って言ってたんだろ?ならその時間に・・・」 「言ったでしょー善は急げって、しかも幽霊とかそういうのは光を恐れるとかそういうのもありそうな気がしない?」 探偵部みんなでうんうんと頷いている。 飛鳥はなんか固まってるが。 「しかも・・・」 「「「夜の学校に合法では入れるんだよ!!」」」 真昼、真夏、遥歌が声をそろえて言う。 いや、合法じゃないだろ、違法だろ。 「だよ・・・」 五郎も結構乗り気なんだな・・・オレンジジュース飲みながらボソッと言わんでも、 「しかし乗り込むってなぁ・・・学校のほうも門にはセンサーつけてるだろうよ。あと壁についていないとしても・・・」 「その点は大丈夫!!非常口の扉に細工をしておいた!!」 真夏がいきなり立ち上がり大きな声で言う。 「なんと・・・非常口の鍵を・・・」 外して来たのか・・・ 「持ってきました・・・」 「さすが真夏!!僕の妹!!」 「ちょっとまてええええええぇぇぇ!!!!」 さすがに俺も叫ぶ。 テーブルの上にはカードキーがおかれていてご丁寧に非常用マスターキー・・・ マスターキー!? 「さすがにそれは窃盗・・・!?」 「しょーくん・・・この世界の規則にはね・・・疑わしきは罰せずという・・・」 要するに・・・ 「ばれなきゃいいんだよ♪」 俺は改めて思った・・・俺の入った部活ってとんでもないだったんだなぁと・・・ 「って・・・」 さっき・・・なんかすごいことをさらっと聞いたような・・・ 「なぁ・・・明日行くのに何で今日鍵を持ってなくちゃいけないんだ?」 「え?だって・・・明日の一時くらいに・・・」 「なんだってぇーーーー!!!」 こ、心の準備とかそういう考えは起きないのかこの真昼様!! 「まぁ明日はがんばろうねぇ♪」 真昼はそう言いながらちょっとトイレと、店の奥へと向かっていった。 「あの〜ちょっとよろしいですか?」 と、ここで俺たちのグループに一人の店員さんがやってきた。 「この中で私たちのお店で働きたいと思われる方はいらっしゃいますでしょうか?ただいま少しこの喫茶店の従業員が不足しておりまして・・・」 と、いきなりアルバイトの募集を申し付けてきた。 む?なんかいいタイミングかもしれない・・・ 一人暮らしを本格的にはじめるにあたってやはり生活費以外の余分のお金を持っていないときつい時もあるかもしれない・・・ うーんとみんな悩んでいるように見せて、みんな今の生活がしっくりしているんだろう。 誰もいないんだったら・・・ 「俺、ちょっと生活が厳しくなっていきそうなのでバイトがあるのでしたらぜひ受けたいのですが・・・」 「本当ですか!?」 と、店員さんはちょっと驚いた声を出した。 まさかここで受けるという人もいないと思ったんだろう。 「「あ・・・」」 っと真昼以外の部員たちが声をそろえる。 ん?何かあるのか? 「まぁいいか、気づかれなきゃいいんだし」 「だねぇ、ひるっちちょうどいなかったのは救いだね」 「・・・・・幸運だな」 ・・・? ま、よかった。 これでバイト探しをする苦労も無くなったし。 「なら名前と電話番号を教えてくださいますか?」 「ああ、橘 翔。柑橘系の『きつ』に飛翔の『しょう』です」 「はいわかりました」 店員さんは手に持ったメモに字を書いていく。 なんか手馴れているな・・・ その後に電話番号も伝え、 「この後夜に電話をかけます。採用でも不採用でも電話をいたしますのでよろしくお願いしますね」 店員さんは営業スマイルをした後、頭を下げ、 「私の名前は 新見 綾(にいみ あや)といいます。私も店長に推薦しておきますから」 と、また綾さんは笑顔を作り、店の奥へと入っていった。 「いやー、やっぱりここのご飯は美味しいから食べ過ぎちゃうね!!」 ちょうど真昼はトイレから出てきた。 「ここのバイトとか募集してたら絶対入って賄とかあったら食べまくるのに!!」 ん、バイト? 「ああ、真昼、ここのbもがっ」 いきなりみんなに口を押さえられる。 「・・・それ以上は言わないほうがいい・・・」 「うんうん、この部活で普通に過ごしたいなら・・・」 「ひるっちがいる限り、学校で普通に過ごしたいなら!!」 みんなの勢いに圧倒された・・・ なんだなんだ? 「おーう、みんな仲良しだねぇ♪翔クンがみんなとこんなに仲良くなってくれておじさんうれしいよ!!」 と真昼は言う。 「・・・・」 まだ飛鳥は固まっていた・・・ 「飛鳥っち?もうそろそろ動こうよ、君のキャラが今回の依頼でたってなさすぎだよ?」 その一言で飛鳥は動き出した。 「夜の学校ってめちゃくちゃこえーじゃねーか!!幽霊とか出たらどうするんだよ!!」 本当に自分に正直な人だな・・・飛鳥って・・・ 小説トップへ
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