BATON

知っている辛さ、知らない悩み、知っている悩み、知らない辛さ。
私はどちらも知っていた。
そしてどうすればいいのかわからなかった。



〜災難2〜


今日は二日目、


長瀬君は顔に赤い型ができていた。
「早く行こうぜー」
余談だけど、今の世の中で「ぜ」を使う人はあまりいない気がする。



別にいいけれど・・・



今日の予定は吹奏楽部に行って出し物を見たあと、体育館である劇を見る事になっている。
僕たちのやる劇ではないのだけども、ちょっとは知識にはいるかなーなんて、
そして今日はアカリちゃんは用事が有るとかで来ないとか。
まぁ、小学生にとってはちょっと高校の文化祭は合わないかもだし。



「昨日、女装した人ですよね!」
ある女の子から声をかけられた。
今日の文化祭、門にはいる前に終わった・・・


「はい・・・そうですが・・・」
「よかったーじゃあこのリボンをつけておいてくれませんか?」
「え?」
女の子はかばんの中から安全ピンにピンクのリボンがついたものを僕に渡した。

「これ何?」
「と、言うことでよろしくー」
すたたーっと女の子は逃げるように去っていく。

「・・・・・・」
「む・・・ササー、よかったなー」
「なにが?」
長瀬君はニヤニヤしている。
その目の前にはプログラム。
「まぁ優勝目指して頑張れよ〜」
「何の話だって・・・さあ、早く早川君たちと合流しよう」



「で、今日はどうするんですか?」
郁人君は聞いてくる。
高校前での待ち合わせということで合流は簡単だった。
今回は長瀬君も一緒に行動する。
・・・・・・・別に一人だと何かするんじゃないかとかそういうことを考えてじゃないよ?
ただ、周囲に心配をかけたくない・・・って一緒か。

「そうだねー・・・まぁ吹奏学部は絶対だね。行かなきゃ希美になんと言われるか・・・行こうと思ってたけど・・・」
なんかわからないけども、希美は、
『絶対に来てね!!絶対だよ!!ほんとに絶対にくるんだ!!』
と言った感じで念を押してきた。
だから絶対にいかねば・・・

「でもそれって体育館での演奏なんじゃ」
「音楽室でもやるんだって話だよー。どうにも、舞台上でやることとは違うとか」
「そうなんですかー」
ルナちゃんは、
「そのほかに、私、まわってみたいところが有るんですけどいいですか?」
と言う。
うん・・・この子はたぶん長瀬君よりも『大人』だと思う。
「そんなに遠慮しないでもいいよーみんなでまわってこそ面白いんだから」
「暗にオレを蔑んでないか?」
「ありがとうございますー」
ルナちゃんはうれしそうに笑顔で言った。
やっぱり長瀬君よりは・・・

「オレを対照としすぎじゃないか?」
おっと、長瀬君に目がいってしまった。





と、言うことで一直線に吹奏楽部へ来たものの。
「せいとかいちょー!!元気でやってましたか?」
「おぉー!!早川ジャン!!」

と言ったように郁人君の周りには人だかり。
他の僕ら三人は蚊帳の外。

「すごい人気ですね・・・いらっしゃいませー」
アケミちゃんだけが出迎えてくれる。
「どうも!!きました!!」
なぜ長瀬君・・・びしっと構える・・・
ってかこの前のあきらめたオーラが消えている。
普通に炎が燃えている。

「こんにちわー」
ルナちゃんはペコリと頭を下げる。

「裕之さん、この子は?」
「ああ、この子は郁人君の妹でルナちゃんっていって」
と、言うや否や。

「この子が早川先輩の妹なんですか?かわいー!!」
「妹なんていたんですか?聞いてませんでしたよー」
「礼儀正しそうで・・・いいなーうちのやつなんか・・・」


蚊帳の外の三人(+郁人君−ルナちゃん)
そこへ希美がやってくる。
「お、お兄ちゃん、来たねー。まあゆっくりしていってよー」
「うん。まぁそのつもりで・・・」

ん・・・・
どどどどどどどどどどどど
何だこの押し寄せる波のような音は・・・

「あなたが希美ちゃんのお兄さんなんですか?うわー似てるー」
「えっちいさ・・・え?これが三歳上の先輩?」
「似すぎにすぎ似すぎ!!こんなお兄ちゃん欲しいなー!!」

いつの間にか僕の周りには人だかり。
さしずめ、ほかのひとにとっては蚊帳の中。
うう・・・苦手なんだけど・・・
吹奏楽は男女混合、とはいってもどうしても女の子の方が多くなってしまう。
うう・・・

「裕之さんは家で勉強見てもらってるんだー」

「えぇー!!じゃあこの人があのうわさの!?」
どんなうわさだ?
「・・・あっ!!」
一人の子が僕の方に目を向けながら声を発する。

そこには校門に入る前にもらったピンクのリボンが・・・
「・・・頑張ってくださいよ・・・おれ、応援してますから・・・」
吹奏楽部の男の子は肩をぽんとたたいてくれる。
「なにも知らずにつけたんでしょうけど・・・あなたならきっと優勝できます!!」
女の子は哀れみの目で僕を見る。

「がが・・・っ頑張ってくださいね・・・」
アケミちゃんは笑いを懸命に耐えている。

・・・いったい何が・・・
「大丈夫!!お兄ちゃんは!!かわいいし!!」

そんな可愛いと言われても僕はどうしていいのやら・・・
別にうれしくもなんともないぞ。





さすが吹奏楽部といえるだろう。
練習とかいっぱいしたんだろうな・・・結構うまかった。
しかも曲も、一般の人たちに合わせて昔のアニメの曲や、一年前くらいにはやった曲をアレンジを加え演奏していた。
僕の耳から聞いてもすばらしいと思えた。


「さぁー今日はここでビックゲストー」
なんで希美がマイクを持って司会をしているんだろう。
「この近くにある音大から来てくれましたー」
・・・なんか嫌な予感・・・
「笹原裕之さーん!!」
・・・・・
えーーーーー!!!!


って半分わかってたけど・・・


長瀬君は必死に手を上げて自分をアピールしている。

「はいー前に出てきてくださいねー」
希美はこれでもかと言う笑顔で僕に笑顔を向ける。
そして小さい声で、
「とちったらキミがなんか言われるんだから頑張ってねお兄ちゃん」
・・・・
だからそういうことは最初に言っとけと。

「なんとこの人、私の」
「あにきー」
長瀬君は声を出す。
「(きっ!!)はいそのとおりです。フルートをしておりましてー」
長瀬君は



なんだかわからないうちに質疑応答の時間となっていた。
・・・なんでかわからないけども、教室から出て行く人はひとりもいない。
逆に出ていないほうが不安を覚えるのはなぜだろうか。

「さ、ここでフルートを演奏してもらいましょう!!」
来た・・・
「でもフルートないよ?」
「キミのがあります」
希美のフルートが手渡しされた。
「はーい、じゃあリクエストを受付まーす」

なんだって?・・・・ええ!!!
「そんなこと一言も!」

「はいはい、あとで何かおごってあげるからねー」

「はぁ・・・もーリクエストはできるだけ有名なもので」

「はい!!」

「はいそこの黒い服の女の子!!」







「ハイお疲れサマー」
希美が吹奏楽部の人の飲み物を僕に持ってきてくれた。
「ありがとー」

吹いていて渇いた喉を潤す。

「ふう、にしてもいきなりはないだろー。僕にだって準備というものがあるんだから」
「このキミさん、昨日に約束してしまっていましてねー。ま、いいじゃないですか」
「さすが裕之さんですねー即興なのにやってしまうなんてー」
「イヤーそれほどでもないっすよー!!」

・・・・そこでなぜ希美が答える。

「私もお兄ちゃんみたいにできたらいいなーと思ってますー」

何気にいいこと聞いた。
うれしいかも・・・

「早川先輩は指揮者を今でも目指しているんですよね!!」
「うっうん・・・」
「私、応援しています!!頑張ってくださいね!!」
「あっありがとう」


んー・・・希美ってもしかして


「さ、ほかんとこいこうぜー、まだ体育館に行くには早いんだろ?」
長瀬君が呼んでいる。
そろそろほかのところに行かないとルナちゃんが行きたがっていたところにいけないな。

「希美、アケミちゃん、そろそろ僕たち行くよー」
「あ、はい。体育館でも見に来てくださいね」
「ええっと、まぁいいや、じゃああとで」


そこで僕たちは音楽室を出て行った。




「ここに行ってみたいなーと思ってましたー」
「ここは・・・」

天国地獄ミックス汁・・・と書いてある。

・・・汁?・・・ジュースじゃなくって・・・汁・・・

とても嫌な予感がする。
ってかなんでこんなとこえらぶですか、ルナちゃん・・・

「こういう罰ゲームのようなものって興味あるんですよねー」

しまった・・・まったくルナちゃんの好みを知らなかった。
昨日やこの前の雨のとき以外あったことないし・・・
・・・・・・まぁ大丈夫か・・・


僕たちは四人対戦部屋・・・
と書いてあるテーブルに座った。

・・・なぜ対戦と書いてあるのか・・・

「まずここのルールですー」




ルール・・・いろいろな勝負をしていき、勝ち抜き戦をしていく部屋です。勝った人からじゅんばんに材料を決めて最終的に残った人が飲む。
      それだけだ!!健闘を祈る!!




読むにしたがって口調が変わっていくのは何ゆえ。
たぶん材料ってのは


「面白そうジャン!!やってみるぞ!!」
テーブルの上にはトランプ、画用紙、鉛筆、ウノまでおいてある。
何かで勝負しろってことか・・・
「じゃあはじめは大貧民で勝負しましょう!!ルールは重ねだしOK。カイダン有りのシバリ有り、革命もOKのルールで!!」

ルナちゃんは・・・すごいな・・・





「うわ・・・ってコトは・・・」
「すいません。あがりです」
郁人君は頭をかきながら申し訳なさそうに最後の一枚を出す。
無欲の勝利というのだろうか。
手堅く出していった郁人君が始めの勝者であった。

「じゃあ材料選びですか?ええっと・・・」

「ここは材料を見ないようにしておきましょう・・・その方が面白いですし・・・」
ルナちゃんは・・・こんな子だったのか・・・
「ああーーー!!畜生!!あそこでジョーカーだしとけば!!」
欲の負けだ。



「次は・・・ウノでもしますか?」
「そうだね」




「あがりです」
・・・なぜこんなに運がいいんだ・・・この兄妹は。
「ちくしょーー!!あそこでドローフォー出しておけば!!」
長瀬君は戦略がまずい。
僕は運がない・・・

「じゃあ私は選んできますね♪」

水を得た魚・・・・
まさにそんな感じ。

「ふふふ・・・ここまでよく来た・・・ササよ・・・だがお前の命、ここまでと知れ!!」
あー・・・何というか僕たちが負け続けてここに来たので生き残ったのとは違うのだけども・・・
まぁそんなことは気にしない。
「最後は何をするか・・・」
「やっぱり正々堂々・・・」
「じゃんけんだ!!」

僕たちはこういうことには気があう。


「じゃあ僕がジャッジを・・・・・・最初は「「グー!!」」」

じゃんけん!!


僕はパー・・・長瀬君は・・・二本の指を出している。


「・・・・・・えっ・・・・」
「よっしゃ!!かったぜ!!」
「ええー!!!こんな役目って確か長瀬君が受け持つのがいつもの・・・」
「何の話だよ・・・まぁ勝ったから別にいいけどなー♪」

くっ・・・

はたしてどのような天国地獄・ミックス汁が出てくるのか・・・


「ハイ♪おまたせー!!」
長瀬君はおぼんにグラスを・・・
ぐら・・・
「なんだそれ!!?」
僕は大声を上げた。
「牛乳です」
「あ、青汁入れましたー」
「アジの干物、塩辛、キムチその他もろもろをいれてやったぜ!!」

・・・長瀬君の行動でぶち壊れた・・・
「まぁここはおごってやるから♪飲め♪」

じゃあ・・・
「いっいっくぞー・・・」



ゴクン・・・



・・・どうしよう・・・涙が止まらない・・・
流れる涙は感情からではなく、自然と、ごく自然と流れる。
とめどなく、少しずつ流れていく。
不思議そうに見るみんな。
こっこの表現は懐かしい!!でも今その表現でしか!!

「さっ笹原さん!?」
「ほめん・・・ちょっろふぁふぁせふん・・・」(ごめん・・・ちょっと長瀬君・・・)
「おう!!なんだ?」

僕は長瀬君の口の中にグラスの中に少量余った地獄汁を流し込んだ。

ぶあぁぁあ!!!と長瀬君の目から涙があふれてくる。
「ふっふあああぁぁぁあ!!!!」

そうこの飲み物の味は何にもたとえようのない味だ。
深夜番組にやっているようなミックスジュースの1.5倍は行くであろう破壊力。

「ふぁふぁせふんふぁふぁふいんふぁろ!!」(長瀬君が悪いんだぞ!!)
「ふぉっふぉふぇふぉれいふぁろ!!」(おっオレのせいかよ!!)

「何でこの人たち会話が通じ合っているんだろう・・・」
「フィーリング・・・かな?」






「体育館で・・・劇を見るんでしたね。それと吹奏楽の演奏。ちょうどプログラムが隣り合ってますからいい感じですね」
「そうだねー」
体育館の席を確保しながら僕たちは確認しあう。
「オレだけ一番端の席ってどういうこと?」
「身長が大きいから」
「さいで」
まだ時間はあるから体育館でする出し物を見ようかとやってきた。
なかなか作りこまれているもので、飾り付けが本格的だった。
進行役の人なんて衣装貸しのところで借りてきた物を着ているっぽい。
ライトを当てる人とかが二階で待機している。
うーむ・・・今思えば、ライトの人とかは休み返上で頑張っているんだろうか。

「あ、ここにいたんですね」
僕は後ろから声をかけられた。
・・・?
あまり知らない顔の女の子・・・
「ちょっとこっちまでついてきてもらえますか?」
腕をつかまれ連れ去られる・・・
「あーっと・・・笹原さん、頑張ってくださいね」
早川君は何かわかっているようだった。
・・・・・・もしかしてこのリボンが何か関係あるんだろうか。




「ハイここで待っていてくださいね。もうすぐですからね」

僕は舞台裏までつれてこられた。
何でかわからないけども、みんなピンクのリボンをしていたからおんなじ人たちだと思った。

「じゃあー着替えてくださいねー」

・・・周りの人たちが着替え始める・・・
・・・・・・・!!!?
よく見たらみんな男の人たちだ!!
で、着ているものは・・・
女物の服!!

ぐはっ・・・これか!!
ピンクのリボンの罠!!

「あ、あなたは着替えなくっていいですからね」

・・・なんだろうか・・・




「はーい!!始まりましたーおかm・・・いやいや、カマコン!!キレーな男の子たちがこの舞台の裏で待っています!!」
『イエーイ!!!』

「はっ!?」
思わず口に出してしまっていた。
「ごめんなさい♪出場人数が少なくってー後につなげないからって勝手に入れさせてもらいましたー」

勝手にするなー!!

「出場者5名の中から〜・・・」




「さぁ最後を飾るのは飛び入り参加!!一般の中からのご招待だー!!べつに人数あわせじゃないからね」
『あはははは』
笑いを取るな〜!!
何で僕がこんなことを!!
「お願いします〜!!助けると思って!!」
そういって手に何か持っている。
「これをつければ完璧!!」
僕の髪の毛に何かをつけられた。



「一般参加の方です〜どうぞ〜!!」

どうぞって・・・
「どうぞ〜!!」
どんっと背中を押され、僕は壇上にこけそうになりながらも出た。

会場からざわめきが起こる。
(あれって女じゃないのか?)
(カマコンの意味わかってるのかなー?)
(あれって、三年の笹原なんじゃないかー?)
(なんで希美が出てるの?)

なんか聞こえます・・・お母さん・・・

「さて、お歳と職業をお願いします〜」
マイクが向けられる。
・・・・・・
「笹原・・・裕之・・・21です・・・」

またざわめきが大きくなる。
(((((21!?)))))
・・・ああ、お父さん・・・僕はどうしたら・・・

「音大に通ってます。大学生です」
「一応聞きますが・・・男の方ですよね?」
・・・この司会者・・・

「男です」
「三年の笹原さんでは・・・」
と司会の人が言おうとしたら。
「お兄ちゃんガンバレー!!」
と、妹の声援。
(((((希美じゃない!!)))))

・・・・・・もう何も考えないよ。
「趣味はナンですか?」
「映画鑑賞」
「休日にすることは?」
「特に決めてはいません」
「女の人になるための秘訣は?」
「身長が低いことじゃないでしょうか、はっはっは」

「それではありがとうございましたー。最後に何か一言言っておきたいことはありますか?」

「ええ・・・こほん・・・」

僕は大きく息を吸い込む。
「・・・・・・・・・・はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
これでもかというため息をついた。

「あ、ありがとうございました。笹原さんに拍手をー!!」

『うぉぉぉおおおお!!!』
パチパチパチパチパチパチ!!!!

拍手喝采とはまさにこのこと。
何にも勝るこの拍手・・・
・・・・・・・・畜生!!



僕はその後、一人でいじけた。

投票の結果・・・優勝だった・・・
今高校生の間で一番人気のさわやかな香水をもらった。

女の子用だけども・・・



そのせいで僕はぜんぜん劇はおろか、吹奏楽部の演奏も見れなかった。

みなかった。
見る気分じゃなかった。



二日続けてのアレはきつい。
そう思った。

でも・・・僕って何でいっつもこうなんだろうか。







その夕方、僕はルナちゃんと帰った。
長瀬君は学校で行方不明になり、郁人君は希美に呼び止められて少し残ることになった。





「お兄ちゃん、なんか楽しそうでした〜」
「だろうね〜何ヶ月ぶりかだしね」
「はい」

少し気になったことを聞いてみた。

「郁人君って、何か病気持ちなの?」

そう聞いた途端に、ルナちゃんの顔はしゅんとなった。
「どこまで知っているんでしょうか・・・」
「時々発作が出て苦しそうになっているのは見たんだけども・・・」

ルナちゃんはこっちを向き僕に言う。
「私の口からは何ともいえません・・・ごめんなさい・・・やっぱりお兄ちゃんから、自分から話してくれないと・・・」
無理に笑顔を作って言う。
その顔が少し、何かに似ているような気がした。






その夜、僕が自分の部屋でテレビを見ていると、
「お兄ちゃん・・・」
希美が何も言わずにはいってきた。
僕は振り向かずに言葉を発する。
「希美ーいつも言ってるように、ちゃんと身内でもノックをして部屋には入るようにと・・・」

何も希美は言わない。
いつもなら「気にしなーい」とか言ってくるのに。

「希美?」
「お兄ちゃん・・・うわぁぁぁぁ!!!」


希美は泣いていた。
いつもの希美とは考えられない泣き方だった。

そして僕に泣きついてきた。


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